=開会編= 「これからオロチ高校体育大会を開会致します!一同礼!」 それは曹魏科三年生徒会会長曹操くんの一声から始まりました。 オロチ高校グラウンドには蜀漢科、孫呉科、曹魏科、戦国科、オロチ科の生徒達が勢揃いしています。 戦国科の生徒席には伏犠先輩と左近くんが肩を並べて座っていました。 「いやー、とうとう来ましたね、伏犧先輩」 「じゃのう。わしは今日のためにかなり身体を絞り込んできたわ」 「やりますねぇ。本当は爺臭くないところ、たっぷりと見せてもらいやすぜ」 「わしの生き様よく見ておくんじゃぞ、左近」 背中越しに炎が見えそうな程、二人の意気込みは凄まじいものがありました。 「さて、伏犠先輩は何の競技に出場するんですかい?」 「わしは二人三脚じゃ」 「……」 「なんじゃ」 「それだけですかい?」 「いや、後は全員参加のフォークダンスと騎馬戦があるじゃろ」 「……騎馬戦は確か、女子を上に乗せるんでしたよね」 「そうじゃ」 「うちの科は濃姫さんとおねねさんがいますが」 「わしは濃姫派じゃな」 「………やりますねぇ、伏犠先輩」 「まぁ、最近腰の調子もよくないし、あとは若いもんに任せるわ」 結局爺臭い伏犠先輩(女子大好き) どこをどのように絞り込んできたかは謎のままになってしまいそうです。 「左近は何に出るんじゃ」 「俺は体育大会の花、対抗リレーですよ」 「ほう、やるのう。まぁわしがしっかり応援してやるから、頑張るんじゃぞ」 「ええ、俺の軍略とくとごらんあれ」 そんなこんなで二人が話しをしているうちにグラウンドでは既に玉入れ競争が始まっていました。 「拙者は玉じゃないでござる!!」 戦国科の徐晃君が後ろ姿を玉と間違えられ投げられそうになっていたり、ピーセクハラ大王曹魏科曹操君が「でへ へ」と言いながら自分の玉をかごに入れようとするのをピー夏侯惇君に殴られたりしています。 結局器用に玉を操るダッキさんのいるオロチ科が勝利したようです。 その様子を見ていた伏犠先輩はボソッと 「女子はブルマーじゃないんじゃな…」 そう言いながら短パンを履く女生徒を見て寂しそうな目をしたのを左近君は見逃しませんでした。 そしてこの人はどこまで好きなんだと少し微笑んだのでした。 続く 戻る |